現場に初めて出てきた看護師は、まだスキル的に自分だけで働ける状況にはない。初任者研修の実施やプリセプターによる教育は、まだ卵とも言える状況の人材を一人前に引き上げるために欠かせないものである。
そういった過程を経て基本的なスキルを身につけることができると、一人でも一通りの仕事ができるようになる。

しかし、その段階で壁に直面する看護師は多く、自分には適性が無いのかもしれないと疑問を抱くようになる人は多い。
最初はみるみるうちにスキルが上達し、ほとんどの仕事をスムーズにできるようになる。そして、そのままさらに色々なことができるようになると思っていたら、そのうちに行き詰まりを感じてしまう段階に入るのだ。
一人前のことができるようになってからその上を目指すのは容易ではなく、「自分はこの程度なのか」とネガティブな感情を抱く人は多い。

その壁を乗り越えるために必要な適性としては、観察力の高さが挙げられる。人のやっていることをよく観察し、自分のやっていることと比較し、良いものは取り入れて悪いものは正すということを繰り返すのだ。
そのようにして自分のスキルを自分で改善していくのが、スキルの壁を乗り越えるための近道なのである。そうやってスキルの壁を突破することで、さらにスキルを磨こうという意志が生まれる。
観察力を磨いていくのは上を目指して働いていくために必須であり、仕事を始めるときには肝に銘じておくと良いだろう。